みどり鍼灸院ではアトピー性皮膚炎に力を入れています。
少しずつアトピーについて書いていきたいと思っています。
まずは私とアトピーの出会いからお話しますね。
今から4年前・・・アトピーの男の子とお母さんとの出会いからアトピーについての猛勉強が始まりました。
それまでにもアトピーの患者様を診ていましたが、例えば不妊治療だったり腰痛だったり、他の主訴がありアトピーもあるんですよねという方がほとんどでした。
でもその親子は違いました。主訴アトピーでのご来院。
首、肘、膝にガーゼと包帯をぐるぐる巻いての初診でした。
生後間もなく乳児湿疹となり処方されるままにステロイド塗布が始まったとのことでした。
結局、塗っては治りの繰り返しで徐々に湿疹の状態は悪化していきステロイドも強ランクになって効かなくなってしまいお母さんはいろいろ調べてステロイドをやめる決心をされたのでした。
それが3ヵ月前のこと。悪化していくお肌の状態をなんとかしてあげたい一心で鍼灸治療を試してみたいとのことでした。ガーゼの下の患部は痛々しいものでした。
まずは自律神経へのアプローチを念頭に施術を終えました。
正直、この状態のアトピーにどこまで効果を出していけるか不安な思いでした。
でも2回目にご来院いただいたとき、その日は帰りの車でスヤスヤ眠ってしまったこと。その日の夜はかゆがらずに朝まで寝られたとお聞きして、がぜんやる気スイッチが入ったのです。
アトピーについて調べていくと、まずはステロイドによる標準治療、そして脱ステロイド・・・知らなかった世界が広がりました。
私はステロイドを全否定はしません。医師の指示のもと塗布することでコントロールが効くなら使ってもいいと思います。でもステロイドで悪化させているアトピーも多々あること、ステロイドを使わない治療を選択するもあってしかるべきだと考えています。
もともと鍼灸院にはアトピーに限らず病院で診てもらっているけどなかなか良くならない、もしかしたら鍼が効くかもしれないという気持ちで訪れる方が多いところです。
アトピーに対してステロイドなしで治療というのは確かに少数派なのでしょう。
でも、だからこそ鍼灸治療というアプローチがあることは患者さんにとって意義のあることだと思います。
不思議なものでステロイドを塗らないで頑張りたいという患者さんが少しずつ増えて今に至っています。
私に勉強の機会を与えてくれた男の子とお母さん、ありがとうございます。感謝しています。
追伸:
治療を始めて1年後には乾燥程度の肌状態をキープできるようになり、次の1年は月に1回のペースで経過観察する程度となり卒業されました。
現在、小学校4年生になったと男の子は「俺って昔痒くて大変だったんだっけ?」ともうあの頃を覚えていないようです。
鍼灸師 桑野